【国試対策】両側のpin-point pupil(縮瞳)をきたす疾患 『橋出血』・『有機リン中毒』 鑑別の仕方!
ど^^も。
今回は、【国試対策】両側のpin-point pupil(縮瞳)をきたす疾患 『橋出血』・『有機リン中毒』の鑑別の仕方
について紹介していきたいと思います。
そもそも『pin-point pupil』とは何かわかりますか?
それはつまり、縮瞳です。
縮瞳は動眼神経の副交感神経としての働きにより起こります。
そしてその縮瞳の逆である、『散瞳』は橋から出ている交感神経の働きによって起こります。
このように簡単にまず説明してみましたが、縮瞳をきたす疾患で、『橋出血』・『有機リン中毒』の鑑別がよく国試に出題されます。
そこで、これらの鑑別の仕方と、どのような対処をするのかを紹介していこうと思います。
縮瞳の原理
縮瞳は、中脳から出ている動眼神経の働きによって起こります。
そして、Ach(アセチルコリン)がアセチルコリンレセプターに結合することで縮瞳します。
しかし、常にAchがレセプターに結合しまくる状態だと、一生縮瞳しっぱなしになるので、Achを分解するAchエステラーゼが存在します。
動眼神経・Ach・Achレセプター・Achエステラーゼが正常であってこそ、人間はあるべき状況で縮瞳することができるのです。
橋出血
橋出血は、その名前のごとく、脳幹の一部である『橋』に出血が起こります。
突然の意識障害が問題文中に書かれています。
脳の出血なので、高血圧な方がなることが多いです。
手足が左右ともマヒします。
また、行うべき検査は頭部CTです。(MRIだと急性期が分からない)
有機リン中毒
有機リン中毒は、地下鉄サリン事件で有名です。
有機リン中毒は、副交感神経に殺されるイメージです。
有機リン中毒患者の呼気には有機溶媒臭がします。
気道狭窄・分泌亢進・血圧低下・徐脈など、副交感神経刺激症状が極端に出ます。
有機リンがAchエステラーゼの働きを抑制することで、Achが分解されずに、とめどなくAchレセプターに結合し、副交感神経刺激が永遠と続く状態です。
なので、有機リン中毒疑いの患者さんがもし来たら、採血してコリンエステラーゼ活性を調べましょう。『0』と出るはずです。
治療としては、PAM(Achエステラーゼを復活させる)・アトロピン(Achレセプターをブロック)を静注します。これらの量は、患者の目や心臓を見て、どれくらいの量で正常に戻るかを確認しながら調節していきます。
このように縮瞳しっぱなしの患者の疾患鑑別には、『橋出血』・『有機リン中毒』があります。
鑑別は簡単にできるので、是非覚えましょう!!