【ポリクリ】放射線診断科 をまわるとこんな事がわかる!!
ど^^も。
今回は、【ポリクリ】放射線診断科をまわるとこんな事がわかる!!
を紹介していきたいと思います。
『放射線診断科』と言われて、ピンと来ますか?
簡単に言うと、CT・MRIなどの画像を解析する専門の科です。
脳のMRI・肺のX線画像など広範囲に渡って学習します。
前回同様、放射線診断科をまわって、学習したことや気づいた事などをまとめていきます。
バラバラの範囲を無理矢理まとめているので見にくいかもしれませんが、ちょっとした知識の確認程度で見てください!
放射線の人体への影響
放射線による人体への障害は、確率的影響・確定的影響に分けられる。
閾値があるのが確定的影響である。
確率的影響
確率的影響には、癌・遺伝病がある。
確定的影響
確定的影響には、脱毛・白内障などがある。
造影剤
造影剤を投与する時に注意しなければならないのは、腎機能・アレルギー歴!!
CTの場合
CTの場合は、造影剤の主成分はヨード。
30〜40秒かけて入れる。
ヨードは腎臓から排出されるため、副作用として、造影剤腎症がある。
造影剤腎症
この副作用のリスクファクターは、eGFRが30未満の人。
つまり、腎機能が悪い人である。
このような患者には、生理食塩水を検査の前と後に投与する。
また、リスクが高い人(前回副作用が出た人・過去に副作用がある人・アレルギー素因がある人)には、
①薬を代える
②経口ステロイドを6時間以上前に予め投与する
などを行う。
MRIの場合
MRIの造影剤の主成分はガドリニウム。
MRIはものすごく強い磁場が存在している。
なので体内デバイス(除細動器・ペースメーカー・人工内耳)はダメ!
他にも、刺青・カラコン・ヒートテックなども、金属が練りこまれているためNG!
腎性全身性線維症
ガドリニウム造影剤による副作用。
皮膚硬直・関節拘縮などが起こり、治療法が未だ確立されておらず、死亡率が高い疾患。
発症してはならないため、リスクファクターである、eGFRが30未満の人には、絶対にガドリニウムを投与してはいけない!
CT・MRI
WL(ウインドレベル)を小さくすると、明るくなる。
WW(ウインド幅)を大きくすると、コントラストが小さくなる。
冠状面(coronal plane)・水平面(Transverse plane)・矢状面(sagittal plane)がある。
肝臓ダイナミックCTでは、
動脈優位相は造影剤注入30〜40秒後、門脈優位相は注入70〜90秒後。
体幹部は脂肪抑制T1・T2強調画像をよく用いる。
CTでは白色が高吸収、黒色が低吸収、と表現される。
MRIでは白色が高信号、黒色が低信号、と表現される。
T1強調画像
T1強調画像では、灰白質が白質よりやや黒みを帯びており、脳脊髄液が黒で表される。
T2強調画像
T2強調画像では、灰白質の方が白質よりも白く表され、脳脊髄液は白で表される。
FLAIR
FLAIRは水をなくした画像、つまり水が低信号になっている。
T2FLAIRをよく用いる。(T1だと、FLAIRにする意味がほぼないため)
拡散強調
拡散強調画像は水分子の動きをみている。
水分子が自由に動けると黒く表される。
急性期脳梗塞で高信号になる。(但し、この高信号には、腫瘍・膿瘍・ドロドロした液体、など様々な原因が考えられるため、拡散強調像のみでは診断できないことが多い)
胸部CT
胸部CTには縦隔条件・肺野条件が存在します。
縦隔条件で見るべきもの
背中側が左心房、腹側が右心室。
肺動脈主幹部・左右肺動脈は「人」の漢字のように見える。
大動脈弓は、右腕動脈・左総頸動脈・左鎖骨下動脈と分かれます。
(覚え方)
ユミは右で腕持ち、左で操作
縦隔腫瘍
上縦隔:甲状腺腫
前縦隔:胸腺腫・奇形腫
中縦隔:リンパ腫
後縦隔:神経原生腫瘍
肺野条件で見るべきもの
黒い空洞は気管(空気はどのような条件でも黒く写る)、白いところは血管。
肺動脈は気管支と並走する。
気管支動脈は細いため、CTでは同定困難。
肺葉は、右葉が上・中・下、左葉が上・下に分かれる。
肝臓CT
Couinaud(クイノー)分類を用いて、区域が分けられる。
頭部の方から肝臓CTを見ていくと、まず肝臓内に出てくる血管が、下大静脈から左肝静脈・中肝静脈・右肝静脈の3本が出ているのが分かる。
もう少し尾部の方で肝臓CTを進めると、門脈臍部が見えてくる。
この門脈臍部により、S2S3(内側区域)・S4(外側区域)が分けられる。
また、左肝静脈より背側がS2、腹側がS3。
カントリー線は、下大静脈溝と胆嚢底を結んだ線。これにより、左葉・右葉が分けられる。
右葉は右肝静脈により、前区域(S5・S8)、後区域(S6・S7)に分けられる。
脾臓には、脾静脈が連なって見える。
動脈相
動脈相には2種類ある。
外来患者と入院患者で動脈相は異なる。
外来患者の場合
腕の静脈から造影剤を入れるため、心臓・大動脈などすべての動脈が白く染まっている。
入院患者の場合
1日入院してもらうことで、直接カテーテルで肝動脈に造影剤を入れる。
門脈相の場合は、上腸間膜動脈にカテーテルを入れ、そこから腸へ流れ、上腸間膜静脈→門脈へと造影剤は流れていく。
EOB造影MRI
肝細胞癌の発見に有効な造影。
20分後あたりで肝細胞が白く写る。腫瘍は黒いので早期発見しやすい。
総胆管拡張はどの長さから?
9mm以上では総胆管の拡張と診断。
補足事項
血管
上腸間膜静脈+脾静脈=門脈
大動脈から腹腔動脈が出て、腹腔動脈から脾動脈・総肝動脈へとつながる。
腹腔動脈の下側では、大動脈から上腸間膜動脈が出る。
CTで発見しにくい結石成分
コレステロール・キサンチン・尿酸・シスチン
early CT sign
広範な梗塞の際、発症数時間以内に見られることがあるCT所見。
①レンズ核陰影の不明瞭化
②島皮質の不明瞭化
③皮質・髄質境界の不明瞭化
④脳溝の消失
などが所見として見られる。
一般的な腫瘍のT1・T2強調像の所見
腫瘍は一般的に、T1強調像で低信号、T2強調像で高信号を示す。
脳出血CT所見
脳出血ではCTで高吸収を示し、白色。
脳膿瘍
造影CT・MRIでリング状の腫瘤。(転移性脳腫瘍・膠芽腫も)
拡散強調で著名な高信号(中身がドロドロだから)
T1強調像で高信号
T1強調像で高信号を示すものは少ない。
9割型、脂肪・血腫である。
他には、下垂体後葉・粘稠や高コロイドの物質・メラニンである。
動脈瘤の好発部位
約40%が内頸動脈ー後交通動脈分岐部
約35%が中大脳動脈(分岐部)
約15%が前交通動脈
MRIでの脂肪の色
脂肪はT1強調像・T2強調像どちらでも高信号で白色を示す。
後腹膜臓器
前腎傍腔・腎周囲腔・後腎傍腔に空間が分けられる。
上行結腸・下行結腸・膵臓・十二指腸の一部・腎臓が後腹膜臓器。
脂肪
脂肪はT1強調像・T2強調像どちらでも黒色。
TACE(肝動脈化学塞栓療法)
肝細胞癌への治療法。
腫瘍を栄養している肝動脈内に抗癌薬と塞栓物質を注入する方法。
身体への負担が少なく、進行癌にも有効である。
セルジンガー法(Seldinger法)
血管を露出することなくカテーテルを血管内に挿入し、造影検査・治療を行う方法。
外套針(尖っていない)と内套針(尖っている)で動脈壁を貫通させて、内套針を抜いた後、外套針を静かに抜いて、逆血が出てきたところで針を固定し、ガイドワイヤー・カテーテルを挿入していく。
針の太さ G(ゲージ)
Gは大きくなるほど、細い針を表す。
輸血の針は太く、皮内注射などは細い針で行う。
放射線診断科の先生達は、真面目で優しい先生が多い印象でした。
肺のX線CTの読み取りはなかなか上達できません・・
研修医になるまでにもっと画像を読み取れるように努力あるのみ!