元広島・北別府氏を襲った病気 『成人T細胞白血病』とはどんな病気!? 簡単に紹介します!
ど^^も。
今回は、元広島・北別府氏を襲った病気 『成人T細胞白血病』とはどんな病気!? 簡単に紹介します!について紹介していきたいと思います。
北別府選手。
私が生まれた頃にはすでに引退していましたが、
それでも私は知っているくらいの有名選手。
通算勝利数213勝。
19年間投げ切っているのがまたすごいですよね。
そんな彼を襲った病気が『成人T細胞白血病』
これは、競泳・池江流花子選手を襲った『急性白血病』とはまた異なる種類の白血病です。
それでは簡単に『成人T細胞白血病』について紹介します。
(以降は成人T細胞白血病をATLを表します。)
成人T細胞白血病(ATL)とは!?
ATLとは簡単に言うと、HTLV-1というウイルスに感染し、
T細胞と呼ばれるリンパ球(白血球の1種)が腫瘍化していく病気です。
T細胞は体内に入ってくる細菌をやっつけるのに必要ですから、
これらが腫瘍化してしまうと、感染症にかかりやすくなることは分かるでしょう。
ATLの症状は?
ATLの症状として、主に易感染性・皮疹・リンパ節腫脹・肝脾種が挙げられます。
いわゆる日和見感染が起こります。
血液検査の異常値は?
ATLの腫瘍化細胞はPTHrPというものを産生するため、高カルシウム血症をきたします。
また、他には抗HTLV-1抗体陽性・可溶性IL-2受容体陽性となります。
特に分かりやすいのは、Caの値が上昇しているということでしょうか。
ATLの疫学
日本には、なんと約100万人のHTLV-1キャリア(感染者)がいます。
その半数程度は九州・沖縄に居住しているため、発症者は西南日本に多いとされています。
HTLV-1キャリアが全員ATLを発症するわけではない!?
HTLV-1のキャリアの2〜5%が、感染後30〜50年の経過でATLを発症します。
キャリアの数%ですし、感染後とても長い月日が立つので、稀な疾患でもあります。
HTLV-1の感染経路
HTLV-1の感染経路は主に、母乳・性交であります。
従って、母親がHTLV-1キャリアの場合、人工母乳での育児が勧められます。
ATLの治療法は!?
ATLは急性型と慢性型で治療法は異なります。
慢性型の場合、経過観察でOKです。
北別府さんも数年前に診断された後、経過観察とされていましたので、ご存知の方もいるかと思います。
急性型の場合、残念ながら予後は極めて良くないです。
一応治療法として、多剤併用化学療法・同種造血幹細胞移植などがありますが、必ずしもQOLが爆上げになるという風にはなりません。
北別府さんの今後は!?
北別府さんの今後が気になりますよね。
以前は経過観察とされていたのが、今回、体調が悪くなり入院となりました。
同種造血幹細胞移植
を行うらしいのですが、これまた大変な治療です。
体の免疫を1回極限まで落としてから移植せねばならないので、めちゃくちゃ易感染性になりますし、倦怠感もすごいことになります。
北別府さんの体がこの治療に耐えれれば良いのですが・・・・
この治療が効くか効かないかで予後は変わっていきます。
個人的には、まだまだ北別府さんには解説者として、野球指導者として活躍してもらいたいので、復活を期待しています!!